これまでの記事の練習とは毛色を変えてみて、今回は 最近知ったUniverse25に関して思った事を書いていこうと思います。
概要
お時間がある方はこちらの動画を見てください。
有名な実験なようで、Wikipedia等や他のサイトでも情報は転がっているかと思います。
一応、以下に要約を書いておきます。
ユニバース25:カルフーンのネズミ実験
1968年から1972年にかけて、アメリカの動物行動学者ジョン B. カルフーンは「ユニバース25」と名付けた実験を行いました。この実験は、都市計画のシミュレーションとして、ネズミに十分なスペースと無限の食糧を与えた場合の社会構造を調査するものでした。
実験の概要
カルフーンは、2.7 x 2.7メートルの空間に256個の巣箱を設置し、4組のネズミ(オスとメス各4匹)を導入しました。この環境では、ネズミには水も食料も無制限に供給され、外敵もいない理想的なユートピアが提供されました。
フェーズA:適応期
実験開始から104日後、ネズミたちは新しい環境に適応し始め、最初の出産が確認されました。
フェーズB:繁殖期
個体数は急速に増加し、315日目には620匹に達しました。しかし、この時点から異常行動が見られ始めました。
フェーズC:社会崩壊の始まり
ネズミたちは特定の巣箱や餌場に過密状態で集まり、不自然な行動を示すようになりました。集団行動を取るネズミと、無気力で孤立するネズミに分かれ、社会的な秩序の崩壊が見え始めました。
1.過密状態:
一部の巣箱や餌場に過密状態で集まり、15匹しか入らない巣箱に111匹が詰め込まれるなどの異常行動が見られました。
2.社会の二極化:
集団行動を取るネズミ:餌を独占し、他のネズミを攻撃。
無気力なネズミ(ニートネズミ):テリトリーを持たず、繁殖もせず、床で寝る。
3.アルファオスの出現:
攻撃的で凶暴なオスが現れ、他のネズミを無差別に攻撃し、メスや他のオスを犯そうとする。
4.メスの攻撃性:
メスも攻撃的になり、子どもを守らず早期に巣から追い出す。
フェーズD:終焉期
ネズミたちは次第に繁殖をやめ、孤立した生活を送りました。
1.育児放棄:
子どもネズミは育てられず、社会性を学ばないまま成長し、ただ食べて毛づくろいをするだけの生活に入る。
2.求愛行動の消失:
オスがメスに求愛せず、ストーカーのように追い回したり、未成熟の個体同士で交尾しようとする。
3.高い乳児死亡率:
乳児死亡率が90%に達する。
4.完全な孤立:
全てのネズミが「美しい人たち」と呼ばれる、争いや交尾をせず、孤立した生活を送る。
最終的に、560日後には出産が停止し、最大2,200匹に達した個体数は急速に減少。920日後には全てのネズミが死亡しました。
感想
この実験で気になったところというのが、広大なスペースで無制限の水、食料が提供される という所ですね。
何も努力しなくてもよい、仲間との協力もなしに生きていける、とどうなるのか となったら、別に集団を維持、発展させる必要性も感じないでしょうからね。 むしろ同族が邪魔になる、同族から迫害されることもある。
結果として、集団の繁栄のために頑張る個体がいなくなって最期を迎えたのかな~と思いました。
この実験が人間にもそのまま当てはまるのかというと、必ずしもそうではないのでしょうが、、、 昔に比べると人類の生産性は格段に上がっているので、Universe25と状況が似ている気がしなくもないですね。
旧石器自体は、食べ物を手に入れるためには部族、集団での仲間との協力が必須でした。たとえば大勢で協力してマンモスを狩っていたり、、、
部族、集団からの孤立は、ほぼ死と同じ意味を持っていたかと思います。
その一方、生産性が昔に比べて格段に高い現代では、何かを成し遂げる為に必要な人数というのは昔より少なくなっているので、そもそも今は人口を増やすより減らすほうにインセンティブが働いているんじゃないかな~と思うようになりました。 人数は必要最小限にしたほうが資源の消費も少なく済むし。
といっても、地球にとってあくまで適正な人口というのがあるよね という話であって、ユニバース25みたいに絶滅までいくのかというと必ずしもそうではないんじゃないかな。
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